デイサービスの送迎業務は自分1人で運転することがほとんど。そのため、なにかトラブルや事故が起きれば自分で考えて対処しなければなりません。
送迎業務中は常に会社の携帯電話や自分のスマホを持っておくことが基本です。トラブルが起きたときは事務所へ連絡して指示をもらいましょう。
この記事では、送迎中によく起こるトラブルや対応方法を紹介します。
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自宅に着いても家族が不在だった
「自宅に着いたけれど、家族がいない」というトラブルはよく発生します。事前の打ち合わせで「利用者本人だけで自宅に居ても大丈夫」となっていれば問題ありません。
しかし、家族に引き渡すことになっているのなら、利用者を残していいのか迷ってしまいますよね。
家族が不在でも、利用者だけ自宅に残して帰らないように注意しましょう。玄関の鍵が空いていても、利用者だけを残すのはNGです。
よくあるのが、利用者本人が「自分ひとりで大丈夫だから、もう帰ってもいいよ」といわれてしまうこと。とくに認知症の方は要注意です。
▼家族不在の対処方法はこの記事でさらに詳しく解説しています。
利用者が体調不良を訴える
運転中に利用者が体調不良を訴えることがあります。自宅やデイサービスまですぐ着く場所であれば、声掛けしながら運転すればいいですが、到着まで時間のかかる場所ならどうしようか迷ってしまいます。
利用者が車内で体調不良を訴えた場合は、安全な場所に車を停車して問診・様子観察をしましょう。車酔いであれば、停車してしばらくすると体調が回復することがあります。
車を停車させても体調が回復しない場合は施設に連絡し、指示をもらいましょう。状況によっては救急搬送も検討します。
注意点として、利用者から「このまま○○病院まで連れてってほしい」と言われても、対応する必要はありません。デイサービスは移送サービスではないため、あくまでもデイサービスと自宅間の送迎のみです。
病院に連れて行ってほしいと言われた場合は、一度、自宅に送迎してから家族に連れて行ってもらうか、タクシーで行かれるよう説明しましょう。
個人な買い物を頼まれる
仲良くなって利用者によくあるのが「夕飯を買いたいから、ちょっとコンビニに寄ってくれない?」といった個人的な買い物を頼まれるトラブルです。
「他にだれも乗っていないし、今日くらい寄ってあげるか…」と思ってしまいますが、個人的な買い物は絶対しないよう気をつけましょう。
なぜなら、1度でも買い物をしてしまうと「この職員は買い物をしてくれるのだな」と思われてしまい、次回以降もまた買い物を頼まれます。お断りをしても「あのときはコンビニに行ってくれたじゃないの」と言われるだけで、感謝もされません。
ちなみに、男性の利用者は「タバコを買いたい」と言われることがよくあります。お断りをすると激怒されるケースもありますが、丁重にお断りして、上司とケアマネジャーに報告して再発防止してもらいましょう。
自宅以外に送迎してくれと頼まれる
私が実際に経験したのですが、男性利用者から「妻が老人ホームに入居しているから、そこで下ろしてほしい。帰りはタクシーで帰るから大丈夫」と言われたことがありました。
このように自宅以外の場所に送迎してほしいと言われるトラブルがあります。個人的な買い物を頼まれた場合と同様、一回でも許してしまうと次回以降も同じ要求をされるため、ぜったいに断りましょう。
もし、自宅以外に送迎してトラブルになった場合、デイサービスが責任を負うこともあるため注意しましょう。
交通事故に遭った
あってはならないですが、送迎中に交通事故に遭う場合もあるでしょう。利用者や相手の安否確認、救急隊や警察・施設への連絡など、プライベートで運転している場合と同様に、基本的な対応で構いません。
交通事故に遭ったときの対応はデイサービスでも「事故マニュアル」があるはずなので、送迎業務をしているなら、かならず確認をしておきましょう。
【まとめ】送迎時にトラブルが起きたら施設に連絡をしよう
送迎中にトラブルや事故が起きた場合、判断に迷ったらまず施設へ連絡して指示をもらいましょう。送迎中はかならず携帯電話を所持し、施設の電話番号を登録しておきます。
送迎は利用者と1対1になるため、利用者から個人的な頼みされることが多い場面です。ちゃんと計画書にある内容であれば頼みを聞いても問題ありませんが、やってはダメだと思う頼みはお断りし、上司やケアマネジャーに報告してください。